寺院約14km
JAKUSHO-JI
若松寺(若松観音)
山形県 天童市
最上川を望む丘に広がる、かつて東北随一の寺領を誇った古刹。茅葺の本堂と三重塔が残り、境内一帯が国の史跡になっている。
天平十八年(746年)、聖武天皇の勅により婆羅門僧正菩提僊那が開いたと伝わり、のちに鳥羽上皇の勅願寺となった。中世には寒河江荘を領した大江氏の庇護を受け、最盛期には三ヶ院四十八坊を数える大寺院だった。境内は最上川を見下ろす丘の斜面に開け、参道を上がると茅葺の巨大な本堂が現れる。元和四年(1618年)の再建で、国の重要文化財。堂内には弥勒菩薩を中心に、平安から鎌倉期の仏像が並び、そのうち十数体が重要文化財に指定されている。本堂の脇に建つ三重塔は文政十三年(1830年)の再建で、こちらは県の文化財。境内には薬師堂・阿弥陀堂・釈迦堂などが点在し、天台・真言・法相の三宗が同居してきた歴史から、堂ごとに性格が異なるのも特徴である。平成二十六年(2014年)、旧境内の全域が「慈恩寺旧境内」として国の史跡に指定された。毎年五月五日に奉納される慈恩寺舞楽は、林家に伝わる古い舞で、国の重要無形民俗文化財になっている。訪れる人はそれほど多くなく、山の斜面に堂が点在する境内を静かに歩ける。
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